K島　ひとり　――春を探して

❤ 北風どんと太陽どんが　にらめっこ　しながら決着点を探っている中…むき出しの木肌のゴンベエがつぶやく。 「もう、そろそろなんじゃがなぁ～」 根元の側の小さな池を見下ろしながら目を凝らしている。 枯草と落ち葉に包まれた池の淵は、まだ動きが無い。 ――明日へ続く。 　　　　　★ブログ『パラパラ』ht... 続きをみる

K島　ひとり　――北風と太陽にらめっこ

❤❤❤❤ 「み～んなみんな　もうちょっと…もうちょっと…もうちょっとで暖かくなるよぉ」 空の上では、北風どんと太陽どんが　にらめっこ　ならぬ…相談中？ ❤――月曜日へ続く。 　　　　　★ブログ『パラパラ』https://parapara.seesaa.net/ 　　　　　★ブログ『おじいさんと』h... 続きをみる

K島　ひとり　――北風と太陽にらめっこ

❤❤❤ 「ゆ～っくりや」のデンデンは落ち葉の中か？　家を持ってるから どこかの隅っこで熟睡か？ 血圧の低いヘビ太郎でも冬眠してるんだろか？　丸くなって、祖先の夢を見ながら。 この広い原生林の森で、木や草や虫どんたちもひたすら耐えているのだろか？ 　春を待ちながら。 ――明日へ続く。 　　　　　★ブ... 続きをみる

K島　ひとり　――北風と太陽にらめっこ

❤❤ 足元のさざ波の立つ池、冬眠はしないはずのメダカどんたちも動きは見えない。 水草の茎の影にでも身を寄せて、ほとんど動かないのだろうか？「メダカの学校」も長い冬休みなのだろうか？ ゴンベエの右手奥の海からは冷たい風が梢を揺さぶり、生き物たちはそれを心得て北の方には身を寄せない。 ――明日へ続く。... 続きをみる

K島　ひとり　――北風と太陽にらめっこ

❤ 先日の『ヤマゼ』に包まれた天神の森は、さらに冷え込んで静まり返った。 宮司さんの姿も時折しか見かけないのは足しげくは通っていないのだろうか？ ゴンベエの背中の穴にはリスどんが冬眠してるのは知っているが、尻尾の毛で頭を包み込んでるのだろうか寝息は聞こえない。 ――明日へ続く。 　　　　　★ブログ... 続きをみる

K島　ひとり　――ヤマゼ②

❤❤❤❤ 「そうじゃ、そうじゃ。ゆんべ (昨夜) テレビで、ホトケガ浜の沖に潜って遊んどった町のやつが遺跡があるかも？　と言うとったわ」 「あれは、先祖代々の墓守がおらんようになってしもた墓を沈めとんじゃがなぁ」と、ホトケガ浜の由来を聞かせてくれた。 「また来るわ。お前も気をつけてなぁ」と底冷えの... 続きをみる

K島　ひとり　――ヤマゼ②

❤❤❤ 「おお、ワシも見たんじゃ。見間違いかと思とったんじゃがのう」 ――多少の日にちのズレはあるも、ゴンベエがあいづちを打つ。 聞こえてるのか？　聞こえてないのか？　ゴンベエを見上げて… 「あれは仏さんが天神さんになんか言いに来よったんじゃ」 「５年ほど前に先に行きよった息子かも知れんでなぁ。会... 続きをみる

K島　ひとり　――ヤマゼ②

❤❤ 『ヒデばあさん』がやって来たのは次の日の夕方。 年明けの天神まいりでゴンベエの声にかすかに反応してくれた腰の曲がってきたおばあちやん。 「この寒空にどしたん？」と問いかけるも、私を見上げて　ひと呼吸。 「こないな話はだぁれも信じちゃくれんがのう…」と、さらにひと呼吸。 「きんの (昨日) の... 続きをみる

K島　ひとり　――ヤマゼ②

❤ 昨日の子どもと同じく、その男も手首には　赤い破れた布切れが巻き付けられ　ヤマゼの風に流れている。 伸びっぱなしと思える髪の毛も絡まるように流れる。 声をかけるのも気後れするような雰囲気がヤマゼの中を流れ… 大きくなれずに枯れたような木立の並ぶ　奥の池へ消え入るように姿を消した。 ――明日へ続く... 続きをみる

K島　ひとり　――ヤマゼ

❤❤❤❤ 次の日も『ヤマゼ』は止まずK島全体が静まり返っている。こんな日の子どもたちの『授業は昼まで』と聞いたことがある。 太陽の光も届かず、重なり合った雲さえも静まり返る。 そんな昼下がりに多少は弱まった風の中をまたもや小舟の姿が波に揺れている。やはり『ホトケガ浜』の方からこちらへ向かってくる。... 続きをみる

K島　ひとり　――ヤマゼ

❤❤❤ まさか？　こんな海にあんな子船を出すなんて　信じられない。 あ然として…　息を呑むように…　見つめ続けて小一時間も経っただろうか？ やがて　海沿いの岩場を歩いてくる　その姿は… 小学生の低学年ほどか？　チョッと細身の見たことのない青白い顔の少年… ――明日へ続く。 　　　　　★ブログ『パラ... 続きをみる

K島　ひとり　――ヤマゼ

❤❤ なのに…なのに… 北西の方角の山すそにある岩場の『ホトケガ浜』からこちらへ向かってくる小舟がある。 海育ちの人間とはいえ、追い風とはいえ、手こぎ船でムチャなやつである。 波間にその姿が見えたり　隠れたり…　ゴンベエは目は良いのだが… ――明日へ続く。 　　　　　★ブログ『パラパラ』https... 続きをみる

K島　ひとり　――ヤマゼ

❤ Ｋ島の冬には、島の人たちが『ヤマゼ』という強くて冷たい風が吹く。 少しの風や寒さには慣れてる人達だが、この風の吹く日は島全体の動きが止まったようになる。 船の転覆や衝突や破損などが生じ、数日にわたって続くと死活問題にすらなり、生業 (なりわい) とする漁師や石材運搬の船が出せないほどの強い風で... 続きをみる

K島　ひとり　――あけま…

❤ ❤ ❤ ❤ 「私につながる人」 さらに「その人につながる人」 さらに、さらに「その人たちにつながる人たち」 人の数だけ太陽は輝く。 顔をあげて待つ。 ――月曜日へ続く。 　　　　　★ブログ『パラパラ』https://parapara.seesaa.net/ 　　　　　★ブログ『おじいさんと』h... 続きをみる

K島　ひとり　――あけま…

❤ ❤ ❤ コロナ禍で足を運ぶこともママならないけど、会いに行きたいなぁ～。 積もる話もいっぱいしたいなぁ～。 あと１年？　２年？　必ず行くからなぁ～ 好物は『あれ』だろ。覚えてるぞ～。 ――明日へ続く。 　　　　　★ブログ『パラパラ』https://parapara.seesaa.net/ 　　... 続きをみる

K島　ひとり　――あけま…

❤ ❤ 病に伏して３年近くの友がいる。40数年来の絵の友。Aさん。 「いつまでもライバルだぞぉ」と挨拶の手紙。 太陽は１つだけではないよぉ。 ――明日へ続く。 　　　　　★ブログ『パラパラ』https://parapara.seesaa.net/ 　　　　　★ブログ『おじいさんと』https://... 続きをみる